理学療法士の山形です。
今回の院内勉強会ではこどもの脊柱変形について学んだため報告します。
○こどもの脊柱変形の特徴
・側弯症をはじめとするこどもの脊柱変形は他の運動器疾患と異なり、治療が必要な変形を伴っていても、痛み等の自覚症状がないことも多い。
・発見の遅れが変形の進行や随伴症状(痛み等)の出現に繋がる可能性があるため、早期発見し適切な対応をすることが重要である。
○脊柱変形の種類
側弯症をはじめとする脊柱変形は原因により、特発性、症候性、先天性に大別できる。
・特発性・・・原因が判明していない。
・症候性・・・原因の疾患が判明している。
・先天性・・・椎骨の形成障害(半椎等)や分節障害(癒合椎等)の奇形を認める。
○側彎症のカーブについて
・立位での側弯症の程度は前後像でのCobb角の測定(図1)や側面像での脊柱アライメントの評価を行うことが基本である。
図1 Cobb角の測定
・思春期特発性側弯症のカーブパターンは通常胸椎は左凸、腰椎は右凸をとる(図2)。
・症候性側弯症のカーブパターンは原疾患により様々である。
図2 思春期特発性側弯症のカーブパターン
○治療の要否について
特発性
・立位でのCobb角が25~30°以上あれば装具療法の適応がある。
・Cobb角が45~50°以上あれば成長終了後も悪化し、機能障害を惹起することが多いため手術も考慮すべきである。
症候性
・たとえCobb角が小さくても急変することがあるため、原疾患や重症度により手術を含めた方針を考えなくてはならない。
先天性
・進行性の脊柱変形の場合、装具では進行自体をコントロールすることは困難である。
・早期に専門の医療機関への受診と定期的フォローの開始を勧めることが必要となる。